法改正・新制度について

【行政書士業務】セーフティネット住宅(事業)登録申請・住宅確保要配慮者居住支援法人指定申請について(概要)

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平成29(2017)年10月25日から施行された「改正 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」(以下、「住宅セーフティネット法」と呼びます。)により、「住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅(要配慮者専用賃貸住宅を含む。以下、「セーフティネット住宅」といいます。)」の登録、「住宅確保要配慮者居住支援法人」の指定などの制度が新たに導入されました。

ここでは、それら登録、指定の申請手続きなどにつき、その概要を書きたいと思います。

なお、この「セーフティネット住宅」(事業)登録申請や「住宅確保要配慮者居住支援法人」の指定申請の業務は、行政書士法により行政書士の業務となっておりますので、その手続きの煩雑さ等に鑑みましても、ぜひ、行政書士にその代理のご依頼をいただければ幸いです。

では、以下に、順を追ってご説明してゆきます。 

セーフティネット住宅(事業)登録申請

① 登録の根拠規定

住宅セーフティネット法第8条に、セーフティネット住宅事業を行う者は、それを構成する建築物ごとに、都道府県知事の登録を受けることができる、とあります。

なお、アパートなどの共同住宅は、当該アパート1棟まるごとではなく、当該アパートの1戸からでも登録を受けることができます。

そして、その登録の申請に関する根拠規定は住宅セーフティネット法第9条です。そこには、国交省令で定めるところにより、一定の事項を記載した申請書(添付書類も)を、都道府県知事に提出しなければならないとあります。

ただし、この登録申請は、まず「(一社)すまいづくりまちづくりセンター連合会」が運営するサイト「セーフティネット住宅情報提供システム」(http://www.safetynet-jutaku.jp/guest/index.php)中にある「事業者管理」サイト(https://www.safetynet-jutaku.jp/agent/login.php)に必要事項を入力してゆき、最後にそれをプリントアウトしたもの(申請書類のこと。プリントアウト後の申請書には申請者の署名又は記名押印が必要。)及び取り寄せた登記事項証明書などの添付書類を、都道府県等担当部局あてに提出するという手続きです。なお、これが完了すると、さきほどのサイトで、利用者のために、当該住宅についての情報が公開(公表)されることになります。

なお、当該「入力」の前に、その「事業者管理」サイトにログインするために、まずは「事業者アカウント」の登録を、その画面(https://www.safetynet-jutaku.jp/agent/account_entry.php)にてする必要があります。「事業者アカウント」登録が完了すれば、完了メールが事業者(または代理人のメールアドレス宛)に届き、事業者はそのメールに記載されているIDとパスワード(自動生成されたものが届きます。)を使って、さきほどの「事業者管理」サイトにログインするということになります。

以下に示すものが登録申請までの流れです。なお、この「登録」に「更新」はありません。

(『セーフティネット住宅事業者向け管理サイト入力マニュアル2017.10.20版』より)

② 登録申請窓口

(登録を受けたい建築物の所在地ごとに)都道府県・政令市・中核市の住宅政策関係部署

【参考】自治体別(※問い合わせ先になっていますが、ほぼここに掲載の担当部署が申請書類の宛先です。)

http://www.safetynet-jutaku.jp/guest/desk_list.php

③ 登録申請書及び添付書類

以下のとおりです。

登録申請書住宅セーフティネット法施行規則第7条による「別記様式第1号」※下図参照

その他の申請書類のひな型は下記のとおり。

http://www.safetynet-jutaku.jp/docs/system_006.pdf

※なお、これら申請書類は、前出の「セーフティネット住宅情報提供システム」中にある「事業者管理」サイトに必要事項を入力してゆき、最後にそれをプリントアウトしたものということになります。ご留意下さい。

添付書類は以下のとおりです。

・住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅の位置を表示した付近見取図

縮尺、方位並びに住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅及びその敷地を表示した図面

縮尺、方位、住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅の間取り、各室の用途及び設備の概要を表示した各階平面図

・登録を申請しようとする者が住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅を自ら所有する場合にあっては、その旨を証する書類(建物登記事項証明書)

・住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅の管理を委託により他の事業者に行わせる場合にあっては、委託契約に係る書類(管理委託契約書等)※該当する場合のみ必要。

・登録を申請しようとする者が法人である場合においては、登記事項証明書及び定款

・登録を申請しようとする者( 未成年者である場合に限る。) の法定代理人が法人である場合においては、登記事項証明書 ※該当する場合のみ必要。

・登録を受けようとする者( 法人である場合においては当該法人並びにその代表者及び役員を含む。)並びに建物の転貸借が行われている場合にあっては当該建物の所有者及び転貸人が法第11条第1項各号に掲げる欠格要件に該当しない者であることを誓約する書面欠格要件非該当誓約書)※各都道府県により書式あり。

・登録を受けようとする者が営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合においては、その法定代理人( 法定代理人が法人である場合においては、その代表者及び役員を含む。)が法第11条第1項第1号から第5号までに掲げる欠格要件に該当しない者であることを誓約する書面法定代理人欠格要件誓約書※該当する場合のみ必要。※各都道府県により書式あり。

・住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅が昭和56年6月1日以後に新築の工事に着手したものであるときは、建築基準法( 昭和25年法律第201号) 第7条第5項( 同法第87条の2において準用する場合を含む。)の検査済証その他の書類で当該住宅が昭和56年6月1日以後に新築の工事に着手されたものであることを明らかにする書類

・住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅が昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手したものであるときは、地震に対する安全性に係る建築基準法並びにこれに基づく命令及び条例の規定に適合するもの又はこれに準ずるものであることを確認できる書類で次に掲げるもの(耐震性関係書類)
① 建築物の耐震改修の促進に関する法律( 平成7年法律第123号) 第4条第1項に規定する基本方針のうち同条第2項第3号の技術上の指針となるべき事項に基づいて建築士が行った耐震診断の結果についての報告書
② 既存住宅に係る住宅の品質確保の促進等に関する法律( 平成11年法律第81号)第6条第3項の建設住宅性能評価書
③ 既存住宅の売買に係る特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律( 平成19年法律第66号)第19条第2号の保険契約が締結されていることを証する書類(瑕疵担保保険契約書)
④ 前①から③までに掲げるもののほか、住宅の耐震性に関する書類(①から③以外のその他耐震性関係書類)
・その他都道府県知事が必要と認める書類(※各自治体により異なりますので各自治体の指示によって下さい。)

④ 登録手数料

これは自治体により異なります。無料のところもあれば、戸数等により額が定められているところもあります。なお、都道府県においては収入証紙で納めるものがほとんどのようです。詳細は各自治体のウェブサイトで確認するか直接担当部署にお問い合わせいただければと思います。

⑤ 登録基準

国(法令)による登録基準は以下のとおりです。なお、当該基準は、都道府県・市町村において「賃貸住宅供給促進計画」が定められている場合、そこにおいて、「規模」と消防法や建築基準法、耐震性に係る建築基準法に関するものを除く「構造及び設備」の基準を強化又は緩和することができることとなっています。

一般住宅 共同居住型住宅

(シェアハウス)

規模  

 

・各戸の床面積が25平方メートル以上であること。

・共同居住型賃貸住宅の床面積(単位:平方メートル)が次の式によって計算した数値以上であること。

15A+10(ただし、A≧2)

※Aは共同居住型賃貸住宅の入居者(賃貸人が当該共同居住型賃貸住宅に居住する場合にあっては、当該賃貸人を含む。)の定員を表す。

・共同居住型賃貸住宅のうち住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅である部分にあっては、各専用部分の入居者の定員を1人とするものであること。

・共同居住型賃貸住宅のうち住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅である部分にあっては、各専用部分の床面積(収納設備が備えられている場合にあっては、当該収納設備の床面積を含み、その他の設備が備えられている場合にあっては、当該設備の床面積を除く。)が9平方メートル以上であること。

構造及び設備 ・消防法等の規定に違反しないものであること。

・建築基準法等の規定に違反しないものであること。

・地震に対する安全性に係る建築基準法等の規定に適合するもの又はこれに準ずるものであること。

・各戸が台所、便所、収納設備、洗面設備及び浴室又はシャワー室を備えたものであること。

ただし、共用部分に共同して利用するため適切な台所、収納設備又は浴室若しくはシャワー室を備えることにより、各居住部分に備える場合と同等以上の居住環境が確保される場合にあっては、各居住部分が台所、収納設備又は浴室若しくはシャワー室を備えたものであることを要しない。

・消防法等の規定に違反しないものであること。

・建築基準法等の規定に違反しないものであること。

・地震に対する安全性に係る建築基準法等の規定に適合するもの又はこれに準ずるものであること。

・共用部分に居間、食堂、台所、便所、洗面設備、浴室又はシャワー室、洗濯室又は洗濯場が備えられていること。

ただし、各専用部分に、いずれかの設備等が備えられている場合にあっては、共用部分に当該設備等を備えることを要しない。

なお、共用部分に洗濯場を備えることが困難なときは、入居者が共同で利用することができる場所に備えることをもって足りるものとする。

少なくとも入居者の定員を5で除して得た数(1未満切り上げ)に相当する人数が一度に利用するのに必要な便所、洗面設備及び浴室若しくはシャワー室が備えられていること又はこれと同等以上の機能が確保されていること。

入居を受け入れることとする住宅確保要配慮者の範囲 ・特定の者について不当に差別的なものでないこと。

・入居することができる者が著しく少数となるものでないこと。

・その他の住宅確保要配慮者の入居を不当に制限しないものであること。

・特定の者について不当に差別的なものでないこと。

・入居することができる者が著しく少数となるものでないこと。

・その他の住宅確保要配慮者の入居を不当に制限しないものであること。

賃貸の条件  ・入居者の家賃の額が、近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないよう定められるものであること。  ・入居者の家賃の額が、近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないよう定められるものであること。
その他  ・基本方針及び賃貸住宅供給促進計画に照らして適切なものであること。  ・基本方針及び賃貸住宅供給促進計画に照らして適切なものであること。

【参考サイト・資料】

・セーフティネット住宅情報提供システム「制度についてのページ」
http://www.safetynet-jutaku.jp/guest/system.php

・セーフティネット住宅情報提供システム「事業者向けのページ」
http://www.safetynet-jutaku.jp/guest/apply.php

・セーフティネット住宅情報提供システム「事業者向け管理サイト入力マニュアル」
http://www.safetynet-jutaku.jp/docs/manual_ag.pdf

・住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=419AC1000000112&openerCode=1

・住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律施行規則
http://www.safetynet-jutaku.jp/docs/system_003.pdf

・住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する基本的な方針
http://www.safetynet-jutaku.jp/docs/system_004.pdf

住宅確保要配慮者居住支援法人指定申請

① 指定の根拠規定

住宅セーフティネット法第40条に、都道府県知事は、特定非営利活動法人(NPO法人)、一般社団・財団公益社団・財団法人その他の営利を目的としない法人(社会福祉法人 など)や住宅確保要配慮者の居住の支援を行うことを目的とする会社であって、住宅確保要配慮者の居住支援業務に関して、基準(後述の「⑤指定基準」を参照。)に適合すると認められるものを、その申請により、「住宅確保要配慮者居住支援法人」(以下、「居住支援法人」といいます。)として指定することができる、とあります。

なお、「居住支援法人」の「業務」は、住宅セーフティネット法第42条にその記載があります。以下のとおりです。この「指定」に「更新」はありません。

・セーフティネット住宅事業登録事業者からの要請に基づき、登録住宅入居者の家賃債務の保証をすること。

・住宅確保要配慮者の賃貸住宅への円滑な入居の促進に関する情報の提供、相談その他の援助を行うこと。

・賃貸住宅に入居する住宅確保要配慮者の生活の安定及び向上に関する情報の提供、相談その他の援助を行うこと。

・上記に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

なお、「居住支援法人」は、上記の「業務」のすべてを行わなければならないものではありません。

② 指定申請窓口

上記の「セーフティネット住宅(事業)登録申請」を取り扱っている都道府県の窓口と同じ所です。

この「居住支援法人」の「指定」は、都道府県のみがその機関であり、政令市や中核市には申請しないことに留意する必要があります。

③ 指定申請書及び添付書類

住宅セーフティネット法施行規則第27条に、指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した「申請書」を、都道府県知事に提出しなければならないとあります。

・名称・住所・代表者の氏名

・支援業務を行おうとする事務所の所在地

・支援業務を開始しようとする年月日

※以下の「申請書」は、「北海道」のものです。各都道府県により異なります。

また、添付書類として次のものを規定しています。

・定款(※実施する支援業務が目的として規定されていること。)

・法人(会社)登記事項証明書

・申請日の属する事業年度の前年度の財産目録・貸借対照表

※申請日の属する事業年度に新規設立法人(会社)においては、設立時の「財産目録」

・申請に係る意思の決定を証する書面(議事録 など)

・支援業務の実施に関する計画として、次の事項を記載した書類

◇組織及び運営に関する事項

◇支援業務の概要に関する事項

・役員の氏名・略歴を記載した書類

・現に行っている業務の概要を記載した書類

その他都道府県知事が必要と認める書類(ex.都道府県税完納証明書 など)※各都道府県により異なります。

④ 指定手数料

本稿執筆現在(2017.10.27)は、いずれの自治体も確認されていません。

⑤ 指定基準

具体的な指定基準の考え方は、各都道府県において判断されることとなりますが、法律上は、住宅セーフティーネット法第40条各号により、次のように規定されています。なお、考え方の例も次のとおりです。

・職員、支援業務の実施の方法その他の事項についての支援業務の実施に関する計画が、支援業務の適確な実施のために適切なものであること。
(例:必要な組織体制・人員体制が備えられていること)
・上記の支援業務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
(例:支援業務に必要な自主財源を有していること)
・役員又は職員の構成が、支援業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
(例:役員又は職員が暴力団員その他反社会勢力の構成員でないこと)
・支援業務以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって支援業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
(例:他の業務を行う組織との分離がなされていること)
・上記のほか、支援業務を公正かつ適確に行うことができるものであること。
(例:支援業務の実施の意思決定がなされていること→ 議事録等の記載にて確認。)

⑥ その他留意事項

ほとんどの自治体が、申請前には担当部署に必ず事前相談をするよう指導していますので、まずは申請前に都道府県の担当部署にご相談されて下さい。なお、行政書士は、このような役所との交渉等も行うことも業務です。

また、当該申請には、支援業務を行う事務所所在地を管轄する市町村福祉部局の「推薦」を必要とする場合もあるので、市町村の福祉部局へのご確認・ご相談等も行うこともお勧めします。

⑦ 指定後の届出・報告等

「居住支援法人」は、その指定を受けた後、次のような手続きが必要です。

名称若しくは住所又は支援業務を行う事務所の所在地を変更しようとする場合は、変更しようとする日の2週間前までに都道府県知事へ届け出すること。(※当方で代理可能です。)

・毎事業年度開始前に、支援業務に係る「事業計画」及び「収支予算」を作成して都道府県知事の認可を受けなければならないこと。この事業計画等に変更があれば、変更しようとする事項及びその理由を記載した「申請書」を都道府県知事に提出して変更の認可を受けなければならないこと。(※当方で代理可能です。)

・毎事業年度経過後3か月以内に、支援業務に係る「事業報告書」及び「収支決算書」を作成しそれに「財産目録」及び「貸借対照表」を添付して、都道府県知事に提出しなければならないこと。(※当方で代理可能です。)

※このほかにも、支援業務として「家賃債務保証業務」を行う事業者又はその保証の全部又は一部を金融機関等の者に委託する事業者については、いろいろと手続きが必要になります。詳細は法令の規定自治体のウェブサイトをご参照下さい。

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