最近の投稿記事が「マイナンバー」関係一色であること、まずはお詫びします。
しかしながら、それも、間近に迫った制度施行と「通知カード」の送付にあって、マイナンバー制度にかかる細かいことについては、まだまだ皆様に周知不足だと思っているからこそなのです。ご了承いただければ幸いです。
さて、今回は、もうすぐ送られてくる、マイナンバーの「通知カード」にくっついている「個人番号カード交付申請書」に記載されていることで、皆様がもしかしたらよくわからずに戸惑ってしまうかもしれないことについて、そして、「個人番号カード」には、つまり、カードのICチップには、いったいどんな情報が入っているのか、ということについて書いてみたいと思います。
今回は、一般の方々向けです。
個人番号カード交付申請書って?
いよいよ来月から、皆様のお手元にマイナンバーの「通知カード」というものが届きます。住民票の住所に、世帯単位で、「転送不要」の字が入った封書で、「簡易書留」で送られてきます。
さて、その「通知カード」というのは、実は、以下のとおり「個人番号交付申請書 兼電子証明書発行申請書」というものとつながった、1枚の紙のものです。
(※上記は、秋田市番号制度推進室の「コンテンツ一覧」の「通知カード・個人番号カードについて」内の画像です。)
さて、この「個人番号交付申請書 兼電子証明書発行申請書」ですが、これに、「簡易書留」にて同封されている「説明書」(ご案内)を見ながら必要事項を記入して、顔写真を貼って、同じく同封されてきた「返信用封筒」に入れて返信する(これで番号カードの交付申請ということになります。)のですが、その「個人番号交付申請書 兼電子証明書発行申請書」の裏面の中ほどに、見慣れないものがあると思います。
そこには、「署名用電子証明書」というものと「利用者証明用電子証明書」とあります。これらの発行を希望しない場合には、その記載の前にある □ を黒く塗りつぶすよう書いてあります。
さて、では、この「署名用電子証明書」、「利用者証明用電子証明書」とは、いったい何なのでしょうか。
「署名用電子証明書」・「利用者証明用電子証明書」って?
署名用電子証明書とは
「署名用電子証明書」とは、インターネットで、いわゆる「電子文書」を送信する場合などに、文書が改ざんされていないかどうかなどを確認するための「電子証明書」のことです。
ではこれはどういう場合に使うのかと言えば、例えば、所得税の確定申告をインターネットで行う場合、つまり、「e-Tax」の確定申告など、また、文書を伴う「電子申請など」で使います。
したがって、そのようなものは、たぶん、使わないという方々はこれは「黒塗り」でもよいでしょう。
なお、この「署名用電子証明書」は、15歳未満の方や成年被後見人の方々には、原則発行されない扱いとなる予定です。
また、これの有効期限は、下記で説明する「利用者証明用電子証明書」の有効期限の日と同日となる予定です。
ただ、有効期間満了日までに転居などの「異動」があった場合には、この「署名用電子証明書」のみ失効します。ですから、そのような場合にはこの「署名用電子証明書」の更新手続きをしなければならなくなりますのでご注意しておいたほうが良いと思います。
利用者証明用電子証明書とは
「利用者証明用電子証明書」とは、インターネットを閲覧するときなどに、利用者本人であることのみを証明するものです。
これは、平成29年1月から運用が開始される「マイナポータル」のログインなどに使用するもので、本人であることの認証手段として利用される予定です。
この「利用者証明用電子証明書」の有効期限は、証明書発行日(電子証明書を更新期間内に更新申請する場合は、旧電子証明書の有効期間満了日)から申請者の5回目の誕生日までになる予定です。
ただし、電子証明書の有効期間が『個人番号カード』の残りの有効期間より長くなってしまう場合は、『個人番号カード』の有効期間満了日までとなる予定です。
さて、先ほど出てきた「マイナポータル」とは、いったい何なのでしょうか?
「マイナポータル」とは、以下のようなことができる(予定も含めての)ポータルサイトです。
①行政機関がマイナンバーの付いた自分の情報をいつ、どことやりとりしたのか確認できる。
②行政機関が保有する自分に関する情報や行政機関から自分に対しての必要なお知らせ情報等を自宅のパソコン等から確認できる。(※例えば、各種社会保険料の支払金額や確定申告等を行う際に参考となる情報の入手等)
③引越しなどの際の官民横断的な手続のワンストップ化や納税などの決済をキャッシュレスで電子的に行うサービスが可能となる。
なお、ここが比較的重要なのですが、なりすましの防止等のため、「マイナポータル」を利用する際は、「個人番号カード」に格納された電子情報とパスワード(※カード交付時に自分で設定する“暗証番号”です。)を組み合わせて確認する公的個人認証を採用し、本人確認を行うための情報としてはマイナンバーを使いません。つまり、「マイナンバー」では本人確認はできない仕組みになる予定です。
したがって、「個人番号カード」の交付申請書を提出するときは、この「利用者証明用電子証明書」の発行を受けなければ、「マイナポータル」にはアクセスできません。
「個人番号カード」の交付を受ける、現在においての最大の「意味」は、「マイナポータル」にアクセスできることと言っても過言ではないでしょう。もちろん、この他にも、住民票の写しのコンビニ交付サービスを受けるために必要なものであるとか印鑑証明書もこの「個人番号カード」があれば発行可能というようなこともあります。
そうであるならば、「個人番号カード」の交付申請書を提出するときは、この「利用者証明用電子証明書」の記載の前の □ は、塗りつぶさないということに注意が必要です。
個人番号カードのICチップの中身(誤解が多いようです!)
最近、テレビのワイドショーなどでもマイナンバーを取り上げるものが増えてきましたが、そこでよく言われていることで誤っているものがあります。
それは、「個人番号カード」のICチップの中身についてです。
「個人番号カードは、そのICチップにかなりの個人情報が含まれている。だから他人の手に渡ったりすれば、そこからその重要な個人情報が漏れる。」などということです。
実は、「個人番号カード」のICチップには、プライバシー性の高い個人情報は記録されません。
「個人番号カード」のICチップに記録されるのは、①券面記載事項(氏名、住所、生年月日、性別、個人番号、本人の写真等)、②公的個人認証に係る「電子証明書」等の情報、③市町村が条例で定めた事項等に限られます。
つまり、その人についての税金や年金の情報などのプライバシー性の高い情報は記録されないのです。
このような誤解があるというのがまさに周知不足の証左なのではないでしょうか。
その他
「個人番号カード」は、スマホからもその交付申請ができるようになっています。(上の画像の左下部分をご参照ください。)そして、その際の、「顔写真」もスマホからそのデータを添付して送信すればよいものとなっています。
しかしながら、その「顔写真」ですが、いろいろと制限があります。詳しくはこちら。
したがって、スマホで撮ったいわゆるスナップ写真的なものなどは使えないようですので、ここにも注意が必要です。
まとめ
「個人番号カード」って実際にどのようにその交付申請をしたらよいのか、その交付申請書っていったいどうなってるの?という皆様のギモンには少しはお答えできたかなとは思います。そして、巷で言われているようなそこについている「ICチップ」の中には何が入っているの?ということにも。
最後になりましたが、「個人番号カード」の交付申請は、「任意」です。
つまり、「個人番号カード」を持つか否かは、皆様の自由だということです。
ここでは一応「個人番号カード」を持っていると、どのようなことができるのかについて書きました。
あとは皆様ご自身がお決めになるということになります。
その際の参考情報としてこの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。(おわり)
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