一筆啓上/法改正・新制度についてなど

【平成29年6月1日施行予定】建設業許可基準における『経営業務管理責任者』要件の改正案

【最新情報】2017.6.26

本日付けにて官報に掲載されました。施行は6月30日からです。

https://kanpou.npb.go.jp/20170626/20170626h07047/20170626h070470006f.html

なお、同日付けにて、国土交通省土地・建設産業局建設業課長より、各建設業界団体の長あてに通知も出されています。また、「国土交通大臣に係る建設業許可の基準及び標準処理期間について」も改正されました。

以下、ご参照。(※ウェブ上存在の当該通知・国土交通大臣に係る建設業許可の基準及び標準処理期間についてへのリンクです。PDFファイルです。)

【通知】

http://www.jcmanet.or.jp/wp-content/uploads/2017/06/878cef378e4d3924ae5d17d4a99afdf0.pdf

【国土交通大臣に係る建設業許可の基準及び標準処理期間について(最終改正 平成29 年6月26 日国土建第117 号)】

https://www.mlit.go.jp/common/001190438.pdf

 【情報】2017.6.14

パブコメの結果により、最初の内容から多少の変更がある模様です。

なお、官報に掲載されてからが正式の施行なので、官報掲載まではこの原稿記載時点で未施行です。

最初の内容から多少変更後の官報掲載は、6月末を予定している模様です。(※非公式情報ですが確認済)


建設業許可基準における経営業務管理責任者要件の改正案です。(平成29年4月29日までパブコメにて意見募集)

概要は、以下の通りです。(国土交通省土地・建設産業局建設業課 パブコメ用資料「概要」より転載。赤字は筆者が施した。)

なお、個人的には、「取締役」の定義に「取締役の権利義務を有する者」も加えて欲しいのですが。。。

1.改正の背景

建設業法(昭和24年法律第100号)は、軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者を除き、建設業を営もうとする者は建設業の許可を受けなければならないこととする許可制度を設けている。同法第7条には許可の基準が定められており、このうち第1号において、許可を受けようとする者が法人である場合においてはその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者)のうち常勤であるものの1人が、個人である場合においてはその者又はその支配人のうち1人が5年以上の経営業務の管理責任者経験等を有することが求められている。

また、この経営業務管理責任者経験を有する者と同等以上の能力を有する者について、告示(建設業法第七条第一号イに掲げる者と同等以上の能力を有する者を定める件(昭和47年建設省告示第351号))において定められている。
他方、この経営業務管理責任者要件については、平成27年6月30日に閣議決定された「規制改革実施計画」において、
・5年の経験年数や、同等の能力を有する者の要件の経験年数について、経験を代替する研修制度の創設などにより一定程度短縮することの可能性について検討すること
について結論・措置することとされているところ、所要の改正を行うこととする。
※ 同閣議決定においては「建設業の適切な経営を担保するための建設業の許可基準の在り方について、規制の目的に見合った適切かつ合理的な許可要件等への見直しも含めて、検討すること」も記載されているが、経営業務管理責任者要件も含めた建設業許可要件の見直しについては、平成28年10月に設置した建設産業政策会議において現在検討がなされている。

2.改正の概要

○ 建設業法第七条第一号イに掲げる者と同等以上の能力を有する者を定める件(昭和47年建設省告示第351号)、国土交通大臣に係る建設業許可の基準及び標準処理期間について(平成13年国総建第99号)及び建設業許可事務ガイドライン(平成13年国総建第97号)の改正
上記の告示及び通知について、以下の改正を行うこととする。

① 経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって資金調達、技術者等配置、契約締結等の業務全般に従事した経験(補佐経験)の一部拡大

経営業務管理責任者要件として認められる経験のひとつとして「経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって資金調達、技術者等配置、契約締結等の業務全般に従事した経験(補佐経験)」が位置付けられており、この「準ずる地位」については、現在「業務を執行する社員、取締役又は執行役に次ぐ職制上の地位にある者(法人の場合)」が位置付けられているところ。この点、「組合理事、支店長、営業所長又は支配人に次ぐ職制上の地位にある者」における経験も補佐経験として認めることとする。

② 他業種における執行役員経験の追加

経営業務管理責任者要件として認められる経験のひとつとして「経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として建設業の経営業務を総合的に管理した経験」が位置付けられている。この点、現在は、「許可を受けようとする建設業に関する経験」に限られているところ、「許可を受けようとする建設業以外の建設業に関する経験」についても認めることとする。

③ 3種類以上の合算評価の実施

経営業務管理責任者要件として認められる経験(現行4種類)については、現在、一部種類について2種類までの合算評価が可能とされているところ。この点、全ての種類に拡大するとともに、経験の種類の数の限定を設けず合算評価することを可能とする。

④ 他業種経験等の「7年」を「6年」に短縮

経営業務管理責任者要件として認められる経験のうち、「許可を受けようとする建設業以外の建設業に関する経営業務の管理責任者」としての経験については、現在7年以上要することとしているが、これを6年に短縮することとする。あわせて、②の経験及び経営業務を補佐した経験についても、同様に6年とする。

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